2021年7月26日 【自然機構分子研】Society5.0科学博に出展 最先端レーザーピーニングを紹介

 

自然科学研究機構分子科学研究所は、大阪大産業科学研究所、㈱ユニタック、㈱LAcubedと共同で、「Society5.0科学博」に「超小型レーザーを使用した最先端のレーザーピーニング」を出展している。「Society5.0科学博」は、内閣府と国立研究開発法人海洋研究開発機構との共同主催により、7月15日から東京スカイツリータウンで開催されている。今年は、第6期科学技術・イノベーション基本計画の初年度で、「Society 5.0」の未来像をはじめ、SIP・ImPACTの成果、国の研究機関等における先端的・独創的な技術が集結している。また、インターネットを活用し、来場できない方にもご自分のスマートフォンやパソコンから、いつでも、どこからでもオンラインで体感できる「サイバー展示」も実施される。

レーザーピーニングは、高出力のパルスレーザーを照射して材料の表面に圧縮の残留応力を形成することにより、材料の機械的な強度を飛躍的に高める表面処理技術。疲労寿命の延長に高い効果があるため、厳しい環境で使用されるジェットエンジンの長寿命化等に利用されてきた。しかしながら、高出力のパルスレーザーは装置が大型で、その運用にはクリーンルームが必要となるため、現場作業が必要な航空機の保守や橋梁等のインフラへの適用は困難で、屋内での利用に限られていた。

分子研平等研究室は取扱が容易な手のひらサイズの超小型レーザーを開発してきたが、レーザーピーニング用のエネルギー源としてはパルスエネルギーが従来と比較して3桁小さいため、力不足で利用できないと考えられていた。

手のひらサイズのレーザーを使用することにより、小型で取扱性に優れるレーザーピーニング装置が完成したことから、工場の生産ラインにおける活用が期待される。さらに、持運びが容易で屋外でも使用できることから、これまで適用が難しかった橋梁などの屋外のインフラ保守への応用も期待されている。また、ドローンやレーザーによる点検技術などと組合せることにより、僻地にあるインフラの保守・延命などへの応用も視野に入っている。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.