皇室の名品が和歌山にやってくる―。11月21日までの23日間オンラインで実施されている「紀の国わかやま文化祭」(第36回国民文化祭・わかやま2021、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)を記念して、宮内庁三の丸尚蔵館の名品を紹介する展覧会が、12月4日から28日に開催される。
同展では、三の丸尚蔵館が引き継いだ皇室コレクションのなかから、和歌山県にゆかりのある作家による絵画や工芸品、さらに県内の名勝地を主題とした作品を紹介する。また、明治23年(1890年)に明治天皇に遣わされたトルコ皇帝の使者一行が帰国する際に、紀伊大島沖で暴風に遭遇して沈没したエルトゥールル号の救助に当たった和歌山の人々による尊い行いに思いを馳せる作品も紹介する。
展示資料点数は38件47点。霊場高野山を開いた空海筆と伝える書や、紀伊国に生まれた歌人西行の書状の名品をはじめ、熊野権現の霊験を場面に取り入れた江戸時代前期の岩佐又兵衛による絵巻の名品「をくり」などを紹介する。
また、日本とトルコの友好の契機となったエルトゥールル号遭難救助に関連する卓被、油絵も写真資料とともに公開する。