794年に桓武天皇が現在の京都市に遷都した都「平安京」。立命館大学アート・リサーチセンターと同大歴史都市防災研究所は、京都市生涯学習総合センターと連携して、京都市平安京創生館に展示されている「平安京復元模型」などの活用について研究を進めてきた。昨年11月からは、平安京跡の発掘調査結果をまとめた「平安京跡データベース」を一般向けに公開している。平安京を〝誰もが、いつでも、どこでも、学びたいときに学べる〟オープンデータ基盤を整備したもので、約5000の平安京に関する発掘調査の成果をWeb上で可視化した。
このサイトは、公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所などが中心となって実施してきた平安京にまつわる膨大な発掘調査の成果を、Webの地図上で可視化し、誰もが閲覧・ダウンロードして利用してもらうことを目的としている。
サイト内では、地図上に発掘調査地点を表示させており、クリックすると約5000件の調査概要資料の閲覧が可能。このうち約400件の発掘調査地点は、発掘調査平面図を現在の地図と重ね合わせて閲覧することができる。また、同サイトにある発掘調査地点、発掘調査平面図、復元図などの地理情報システム(GIS)データは、オープンデータとしてダウンロードが可能。平安京跡の歴史を学べる「平安京跡ストーリーマップ」もサイト内で同時展開している。
今後は、新たにデジタル化された遺跡調査情報を随時追加するほか、サイト上で市民が投稿可能なシステムを取り入れるなど、誰もが自由に平安京に関連する情報を作成・加工・公開できる環境作りにも取り組む方針だ。