日本科学未来は、今年で没後10年を迎える電子音楽家レイ・ハラカミさんが音楽を担当したプラネタリウム作品「暗やみの色」のリバイバル上映にあわせて、トークイベント『「暗やみの色」から生まれることば』を7月3日㈯に開催する。詩を提供した詩人の谷川俊太郎さんをはじめ当時作品制作に参加したアーティストが集結して、作品のテーマである<見えるもの、見えないもの>について語る。
未来館のドームシアターで2005~2007年に上映された「暗やみの色」。赤外線や電波など天文学の視点を借りると、夜空の暗やみもさまざまなもので満たされていることがわかる。
さらに、それでも見ることのできない暗黒の物質ダークマターについては理論的なモデルによるシミュレーション映像を加えて、<見えないもの>の存在が感じられる作品。レイ・ハラカミさんによる浮遊感あふれる電子サウンドは今も多くの人から愛されている。
今回のトークイベントでは、この作品のために詩「闇は光の母」を提供した谷川さんがオンライン出演するとともに、ナレーションを担当したバンド「クラムボン」の原田郁子さんらがリアル出演。レイ・ハラカミさんは生前、「科学だろうと表現だろうと、原初的な動機には『未知なるもの』へのロマンがあるわけですよ」と語っていた。
作品制作当時と比べて、科学はどのように人々の世界を更新してきたか―。谷川さん、原田さんらの視点を通して<それでもまだ、見えないもの>が何なのかを探る。