2021年4月15日 【研究成果】歯科定期健診実施には「衛生士」強く関連 医歯大教授が明らかに

日常生活を過ごすうえで欠かせない行為のひとつである食事。ものを採取する上で、「歯」が健康であることが必要となるが、虫歯になる前に自身の歯をメンテナンスすることが、口腔の健康上求められる。東京医科歯科大学教授らは、歯科定期検診受診に影響する要因を明らかにした。定期歯科健診の受診には、歯科衛生士の数が多いことや、歯科衛生士専用ユニットがあることなどが関連するという。また、歯科保健指導の時間が長いことも、定期歯科健診に人々を導く条件になるとした。この研究から、定期歯科健診の受診を促すためには、患者教育だけでなく、歯科医院における歯科衛生士の増員や働き方の改革が必要であることが導き出された。

この研究成果を発表したのは、東京医歯大大学院医歯学総合研究科健康推進歯学分野の相田潤教授の研究グループ。愛知学院大、九州大、国立保健医療科学院、明倫短大、大阪歯科大、深井保健科学研究所との共同研究で、定期歯科健診受診の要因として歯科医院側の要因が強く影響することを明らかにした。

歯科医院への定期健診の受診に影響する要因は、患者個人要因に焦点を当てた研究が大部分であり、教育歴や収入といった社会経済的要因の関連が多く報告されてきた。しかしながら、歯科医院側の要因は十分に検討されていなかった。

そこで研究では、歯科健診受診に影響する要因に、患者個人の年齢や性別、教育歴や経済状態に加え、歯科医院側の要因として、歯科衛生士数、歯科衛生士専用ユニットの有無、歯科保健指導の時間(一般的に、歯科衛生士が存在するほど長い)との関連を明らかにすることを目的に行った。

この研究では、8020推進財団が2014年に実施した「歯科医療による健康増進効果に関する調査研究」のデータを使用。歯科医院を対象とした調査と患者を対象とした調査の二つの調査で構成。1181歯科医院の1万2139人の患者を対象に調査が行われた。

この研究の一部は厚生労働行政推進調査事業費補助金(19FA2001)の支援のもとで行われたもの。研究成果は国際科学誌「インターナショナルジャーナルオブエンバイロンメンタルリサーチアンドパブリックヘルス」のオンライン版で3月10日に発表された。

 


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