理化学研究所(理研)と京都大学の共同研究グループは、チャームクォーク6個からなる新粒子「チャームダイオメガ(ΩcccΩccc)」の存在を理論的に予言した。この研究成果は、素粒子クォークがどのように組み合わさって原子核ができるのかという、原子核物理学の重要な問題の解明に貢献するものと期待される。
物質を構成する素粒子クォークには、アップ、ダウン、ストレンジ、チャーム、ボトム、トップの6種類あることが知られている。陽子や中性子、その他複数のクォークからなる複合体のことを総称して「ハドロン」といい、チャームクォーク3個からなるハドロンは「チャームオメガ(Ωccc)」と呼ばれている。
今回、共同研究グループは、数理手法と「京」、「HOKUSAI」といずれも理研が有するスーパーコンピュータを用いた大規模数値計算を組み合わせることで、2個のチャームオメガ(Ωccc)粒子間に働く力を計算。新粒子チャームダイオメガ(ΩcccΩccc)の存在を理論的に予言した。
この研究は、科学雑誌『Physical Review Letters』の掲載に先立ち、オンライン版(8月11日付)に掲載された。