2021年6月11日 【玉川大】幼少期の運動経験、のちの認知機能を維持・増進 脳内ネットと皮質構造の変化解明

川大学脳研究所の松田哲也教授と神戸大学大学院人間発達環境学研究科の石原 暢(とおる)助教らは、幼少期での運動経験が後年の認知機能を維持・増進させることを解明した。認知機能に関与する脳内ネットワークと皮膚構造の変化明らかにしたもの。この研究成果は、世界的出版社エルゼビアが発行する科学雑誌「NeuroImage」5月23日に論文が掲載された。

これまで幼少期の運動が認知機能の発達を促すことや、その効果が中高齢期まで持続する可能性が示されてきたが、その背景にある脳の構造的・機能的変化は明らかにされていなかった。

この研究は、若者成人から高齢者を対象に、幼少期の運動経験と後年の認知機能の関係と背景にある脳の機能的・構造的変化を詳しく調べた。

研究の結果、12歳までの児童期に運動経験を有する人、後年の認知機能が高いことが示された。一方で、思春期以降の運動経験と認知機能の間に関係は認められなかった。また、児童期の運動経験と認知機能の関係は、脳内ネットのモジュール分離、左右半球間の構造的結合の強化、皮質の厚さの増大、神経突起のちらばりと密度の減少によるものであることが示唆された。

環境や経験に依存した脳内ネットワークの形成に敏感な児童期に運動を行うことで、脳内ネットの最適化が促され、後年の認知機能の維持・増進につながると考えられる。


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