■ポイント
〇2019年に米国で発表され、今後世界的に広く用いられる可能性が高いプライマリ・ケア質評価尺度PCPCMの日本版を開発
〇質問紙は11項目という少ない質問数でプライマリ・ケアにとって重要な11の領域を評価することが可能で、日常診療の中で利用しやすい尺度となっている
〇28ヵ国語に翻訳されており、項目も同一のため、日本と他国のプライマリ・ケアを比較しその特徴を記述することができる
〇先行研究の結果に当てはめると日本のPCPCM得点はOECD加盟35ヵ国中28位であり、継続性・家族や地域の状況を考慮したケアの得点が低い傾向が判明した。
横浜市立大学大学院データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻の金子惇講師らの研究グループは、プライマリ・ケアの質評価尺度PCPCMの日本版を開発した。患者の視点からプライマリ・ケアの医療機関の質を評価する質問紙で、米国で開発され28ヵ国語に翻訳されている。この質問紙は、11項目という少ない質問数でプライマリ・ケアにとって重要な11の領域を評価できる点、プライマリ・ケアの質を国際的に比較できる点が特徴となっている。今後はこの質問紙を用いて、国内の各地域や日本と他国のプライマリ・ケアの質を比較し、質改善に繋げることが期待される。この研究成果は、国際誌「BMC Primary Care」に掲載された。