2022年2月18日 【横国大】ベンチャーを設立 知財力強化へDXソリューション提供

横浜国立大学大学院国際社会科学研究院真鍋誠司教授、本橋永至准教授らが昨年設立し、知的財産、データサイエンス、経営戦略を融合した知財力強化のためのDXソリューションを提供する㈱FineMetricsが、横国大発ベンチャーに認定された。同社は同大大学院国際社会科学府の修了生で、現鹿児島大産学・地域共創センター長の髙橋省吾教授が代表を務めている。

㈱FineMetricsは、具体的な技術シーズを活用した事業構想を有する起業家候補支援プログラムの「NEDO Entrepreneurs Program(NEP)」、同大の「YNUシーズビジネス化支援事業」に採択されるなど、将来性が高く評価されている。2月16日から18日までポートメッセなごやで開催されている法務・知財EXPOに出展している。

ここ数年、企業で発明した知財を適切に守るための知財マネジメントの重要性が高まっている。また、自社が保有する知財を部分的に開放したり、反対に、他社が開放した知財を活用し、新しい製品・サービスを生み出したりするオープン・イノベーションも注目されている。

一方、わが国では、高齢化の進行やデジタル化の遅れが懸念されており、超スマート社会の実現や生産性の向上が急務とされている。

これまでに横国大と鹿児島大は、DX(デジタルトランスフォーメーション)による知財マネジメントの高度化・効率化に関する共同研究を実施してきた。㈱FineMetrics は、知的財産、データサイエンス、経営戦略の知見を融合した研究成果を社会に還元すべく、知財力強化のためのDXソリューションを提供する横国大発ベンチャーとして設立された。

同社は当面、①拒絶理由通知書の分析による明細書作成スキルの評価指標と向上策の提供、②AIによる特許費用の予測、③IPランドスケープによる経営戦略の提言‐の三つを大きな柱として、サービスを展開する。

将来的には、解析ツールのSaaS化など、より多くの企業が知財マネジメントの高度化・効率化を安価で実現できるサービスを開発する予定。また、本橋准教授が昨年4月に設立したYNU研究拠点「ビジネスアナリティクス研究拠点」では、今後も経営学における諸分野とデータサイエンスの知見を融合した実践的研究および社会実装に取り組む。SaaSは、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア(主にアプリケーションソフトウェア)もしくは提供形態を指す。

 

 


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