東京大学総合研究博物館は、㈱TOKYO TOWER(東京都港区芝公園)の特別協力のもと、昨年に引き続き、2回目となるサウンドスケープ・モバイル・ミュージアム『音景夜景 – トウキョウヘ オモイヲハセル』を3月17から5月7日まで東京タワーメインデッキ1階(150㍍)で開催する。モバイル・ミュージアムとは、さまざまな場所に自由に遊動するミュージアムを表わす東大総合研究博物館が提案してきた次世代型ミュージアム。最近では、世界各国のさまざまなミュージアムが実践している。
東京タワーで行われるこの展示は、東京タワーメインデッキの特設スペース「Club333」で上映されているオリジナル動画『東京500年シアター』のコンテンツにインスピレーションを受け、モバイル・ミュージアムとサウンドスケープを、東大総合研究博物館森洋久研究室の企画・制作によって組み合わせる新しい試み。名付けて『サウンドスケープ・モバイル・ミュージアム』。
今年の展示テーマは、日本が国家として初めて参加し、ウィーンのジャポニズムのきっかけとなった、明治6年のウィーン万国博覧会。日本を世界に知らしめる機会であり、全国からありとあらゆる〝物〟が収集され、数十人もの大チームがヨーロッパへ渡った。150年というこの節目の年に思いをはせ、東京大、東京藝術大大学美術館などのデジタルアーカイブから、参加者のエピソード、奇想天外な出品物、ウィーン万博ゆかりの美術品がライティングパネルで紹介される。
万博開催国のオーストリアと日本は、150年間、友好関係を続けてきた。今回の展示では、現在のオーストリアのアーティストたちが日本にまつわる記憶、解釈、夢を再構築するために、オーストリア文化フォーラム東京によって構想されたプラットフォーム#JapanRevisited202ⅹ: then‐now‐afterの一部を紹介する。万国博覧会資料とあわせて、現代アートがダイナミックにクロスする。
展示の最大の見どころは、50チャンネルを超えるスピーカーによるダイナミックな音響(音景)の中で展示を閲覧できる企画。西伊豆の波の音、SLの音や、東京タワーの地上260㍍付近で録音した都市音を使ったインスタレーション・サウンドなどが繰り広げられる。高音質、かつ、長時間録音されたものをメインデッキ(150㍍)の一部で再生する。