2021年6月2日 【東大】鉢植えバラの美しさ保つ方法を解明

 

東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構の矢守 航准教授らは、室内にある鉢植えのバラに、根元から上向きの光をあてることによって、バラを美しく保つことができることを明らかにした。

植物には人の心を癒す働きがあるため、このコロナ禍でテレワークのお供に花を飾るようになった人もいるという。なかには鉢植えを選んだ人もいる。

しかし、室内環境は植物にとっては暗過ぎることが多く、鉢植えのバラのつぼみがちゃんと咲くようにするには、照明をあててあげる必要がある。

一般に、植物に光をあてるときには、上の方に設置した下向きの照明を使うことが多いが、そのためには背の高いスタンドライトや照明器具を取り付ける支柱などを新たに用意しなければならない。

また、上から光をあてていると、下の方の葉が枯れてしまうという問題もある。「できるだけ省スペースでバラをキレイに咲かせたい。上からが難しいのならば下から光をあててみては?」。この研究は、そんな主婦目線の雑談の中から生まれた。

そこで、室内に置く鉢植えのバラを、根元に置いたLEDで上向きに照らし、葉の枯れ具合や花の咲き方を調べた。薄暗い環境に置いた鉢植えのミニチュアバラを、1)追加の照明なし、2)上から下向きの照明をあてる、3)下から上向きの照明をあてるという―三つに条件で2週間置き、比較した。

その結果、追加の照明がないと根元に近い葉が枯れてしまい、つぼみも茶色くなった。下向きの照明では、花はよく咲きましたが、下の方の葉は枯れてしまった。上向きの照明をあてると、下の方の葉が枯れるのを防ぐことができ、つぼみも三分の二以上が開いた。

上向きの照明は、葉も花も美しく保つことができ、照明を設置するためのスペースも必要ないため、室内で手軽にバラを楽しみたい人におすすめのツールと言えそうだ。


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