2022年3月17日 【東大】睡眠を16パターンに分類 機械学習アルゴリズム開発

■ポイント□

○腕時計型のウェアラブルデバイスで得られたデータから装着者が眠っているのか起きているのかを判定するデータ解析の機械学習アルゴリズム「ACCEL」を開発し、大規模な睡眠解析を行った。

○英国で取得された約10万人の睡眠を統計的な手法を用いて分類したところ、朝型や夜型などを含む16タイプの睡眠パターンを確認。新たに分類されたパターンの中には、睡眠障害との関連が疑われる新しい睡眠パターンも含まれていた。

○腕時計型のウェアラブルデバイスから定量的な睡眠パターンの解析が可能になったことで、簡便で正確な睡眠診断が広がり、睡眠健診の実現や睡眠障害の診断や新しい治療法の開発につながることが期待される。

 

ここ数年、生活習慣の多様化に伴い、睡眠に不満・不安を覚える人が世界的に増えている。睡眠を簡便に測定し、一人ひとりの睡眠パターンを定量的に理解することは、ヘルスケアの分野だけでなく、睡眠障害の診断などの医療の観点からも非常に重要。

JST戦略的創造研究推進事業で、東京大学大学院医学系研究科機能生物学専攻システムズ薬理学分野の上田泰己教授授(理化学研究所生命機能科学研究センター合成生物学研究チーム チームリーダー兼任)らは、研究室で独自に開発した腕の加速度から睡眠・覚醒状態を判別する機械学習アルゴリズム『ACCEL』を用いて、英国のUKバイオバンクにある約10万人の加速度データを睡眠データに変換し、データを詳細に解析。その結果、この10万人の睡眠が16種類のパターンに分類できることを見いだしました。

そのなかには、朝型や夜型と言った既知の睡眠パターンに加え、睡眠障害との関係が疑われる新しい睡眠パターンも含まれていた。こうした研究成果を踏まえて、上田教授らは「今後、ウェアラブルデバイスなどの加速度センサーを用いた計測とACCELを用いた解析を進めていくことで、睡眠障害のより良い診断基準の提案や睡眠障害の自動診断方法の開発、さらには新しい治療法の開発につながることが期待される」としている。

この研究成果は、米国科学アカデミー紀要のオンライン版で公開された。


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