滋賀県立琵琶湖博物館所蔵の「東寺文書」(107通、重要文化財)が、東京大学史料編纂所のデジタルアーカイブズを通して広くWeb公開されることとなった。この文書は「東寺百合文書」(国宝、ユネスコ「世界の記憶」)と元来一体のもので、中世の政治・社会や過去の気候変動をさぐる上で重要といえる。精細なデジタルカラー画像が公開されるのは今回が初。歴史学以外の専門家や市民が容易に史料画像にアクセスできるようになったことで、文理融合的な研究や教育の場などでの積極的な活用が期待できる。
滋賀県立琵琶湖博物館は、かつて京都の東寺に所在していた古文書を所蔵しており、重要文化財の指定を受けている。この文書のデジタル画像、さらに目録や本文等の情報を、史料編纂所のデジタルアーカイブズを通して、広くWeb公開することとなった。
「日本古文書ユニオンカタログ」と「Hi-CAT Plus」というふたつのデジタルアーカイブズから、いつでも、だれでも検索・閲覧することができるようになる。紙媒体の史料集では難しかった文書の公開が一挙に進展することで、中世の政治・社会や過去の気候変動などについての研究の深化に寄与することが見込まれる。