現在、世界中で全ゲノム解析データの数10万~100万規模への大規模化に向けた取組が続けられていますが、わが国では総計で数万程度までにとどまっている。こうしたなか、製薬企業を中心に日本人を対象としたゲノム研究の基盤の拡充を求める声が高まっていた。
こうしたなか、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は、製薬企業であるエーザイ㈱、小野薬品工業㈱、武田薬品工業㈱、第一三共㈱とヤンセンファーマ㈱の5社との産学連携によるコンソーシアム「全ゲノム情報と医療・健康情報の統合解析コンソーシアム」を正式に発足させることとなった。
コンソーシアムでは、既解析分等とあわせ総計10万人分の全ゲノム解析データを構築することを目指すと共に、全ゲノム情報と東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査によりバイオバンクに蓄積されている各種情報とあわせて統合的な解析を行い革新的な医薬品開発を推進する。
バイオバンクとは、生体試料を収集・保管し、研究利用のために提供を行うもの。東北メディカル・メガバンク計画のバイオバンクは、コホート調査の参加者から血液・尿などの生体試料を集めることとしている。
コンソーシアムの活動は、医薬品開発を中心に、我が国の幅広いゲノム研究を推し進め、個別化・精密化医療の実現に貢献する基盤となることが期待される。