■ポイント□
〇画像下治療(IVR)術者用の新しいユニークな放射線防護具を開発
〇鉛防護眼鏡を使用しなくても、眼の水晶体の被ばく線量を大幅に減少
〇IVR術者の放射線白内障等の発生リスク低減に大きく寄与することが期待
エックス線透視像などを用いたIVR等に携わる放射線従事者は、放射線白内障などの障害が発生するリスクがあり、そのリスクは従来考えられていたよりも高いことが分かってきた。
東北大学医学系研究科放射線検査学分野の江口洋一非常勤講師らの研究グループは、IVR術者用の新しい放射線防護具の開発に成功した。新しい放射線防護具は、フェイスシールドと甲状腺プロテクタを一体化させた構造という、従来にないユニークな発想のIVR術者用の鉛防護具で、水晶体を含めてIVR術者の頭頚部の被ばく防護が可能。
新しい放射線防護具の遮蔽能力について、人体ファントム実験にて確かめたところ、眼の水晶体線量の平均遮蔽率は、左眼で87.5%、右眼で83.6%で、鉛防護眼鏡よりも高い遮蔽効果が期待できることが分かった。
この研究成果は、国際科学誌電子ジャーナル Bioengineering誌に掲載された。