■ポイント□
〇放射線治療を行う前に治療による腫瘍縮小効果を正確に把握することは困難
〇腫瘍CT画像を深層学習モデルに入力するだけで、CT画像から患者ごとの放射線治療による腫瘍縮小効果を高い精度で推定することに成功
〇患者ごとに最適な治療方針を決定する支援システムの開発につながる成果
放射線治療は、腫瘍などの患部に強い放射線を照射して、標的の組織を死滅させる治療法。患部や患者によってその効果が異なるため、できるだけ腫瘍の縮小効果がある患者を選んで治療を行うことが大切だが、あらかじめ正確に予測することは困難。
東北大学大学院医学系研究科の放射線腫瘍学分野の神宮教授・角谷病院講師・勝田助教らのグループは、独自の機械学習アルゴリズムにより、治療前の腫瘍CT画像を入力するだけで、患者の放射線治療による腫瘍縮小を予測することに成功した。
この研究は、放射線治療による腫瘍縮小を高い精度で推定できた重要な報告で、放射線治療の個別化医療の発展に貢献することが期待される。