2022年3月23日 【東京都市大】准教授らが新たな恐竜化石の産地・鹿児島県長島町獅子島での発掘調査団を結成 多量の骨を含有する「ボーンベッド」として日本有数の可能性

□ポイント■

○骨化石密集層の発見地域で調査から発掘

○わが国古生物研究史上で重要な発見

○化石産地となる期待

 

東京都市大学(東京都世田谷区)と鹿児島県長島町は3月15日、同大理工学部自然科学科の中島保寿准教授(専門:古生物学)と化石研究家の宇都宮聡氏を中心とする「獅子島地区大型脊椎動物化石発掘調査団」(仮称)を結成することを発表した。同調査団は、昨年11月に多量の恐竜化石を含む骨化石密集層(ボーンベッド)が発見された周辺地域で、今年6月頃から順次調査から発掘を進める。

昨年11月、宇都宮氏が長島町獅子島東部に分布する白亜紀の地層から多量の大型爬虫類のものとみられる骨片を含む骨化石密集層(ボーンベッド※)を発見。中島准教授が骨化石の分析を行った結果、恐竜の化石であると判明した。

骨化石密集層は何層にも渡って周辺に広く分布しており、恐竜を含む日本の主なボーンベッドとして知られている福井県勝山市や兵庫県丹波市などに匹敵する量を含有している可能性もある。これは日本の古生物研究史上での重要な発見であるといえる。

発見に伴い、3月15日には長島町で中島准教授らが記者会見を実施。中島准教授と宇都宮氏を中心とした獅子島地区大型脊椎動物化石発掘調査団(仮称)を結成し、6月頃から周辺地域の調査~発掘を順次進めていくことを発表した。発掘された化石は調査・研究が終了した段階で長島町に寄贈され、鹿児島県立博物館で展示される予定。

獅子島では2020年11月に翼竜の化石も発見されており、6月頃から行う調査から発掘の進展によって、現代の生態系のルーツとなる生物たちと絶滅した恐竜たちとの相互作用を理解する上で重要な化石産地となることが期待される。

※ボーンベッド (英語: bone bed):骨や骨の破片を多量に含む特定の地層または堆積物のこと。鱗、歯、糞石、あるいは有機物の屑を含み、リンに富むことが多い。「ベッド」は「地層」の意味であり、ボーンベッドは脊椎動物化密集層とも言いかえることができる。日本国内で恐竜を含むボーンベッドとしては、福井県勝山市・石川県白山市・兵庫県丹波市などに分布する白亜紀層から知られている。

 


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