■ポイント□
〇[自己開示]外見がユーザーと類似していないVRアバター、類似しているVRアバター、ビデオチャットの順で自己開示が促される
〇[自己開示の互恵性]どちらのVRアバターでも形成されるが、ビデオチャットでは形成されない
〇[ユーザー自身の認識]参加者の自己開示や互恵性については、VRアバターとビデオチャットで違いがみられるにも関わらず、ユーザーの体験には違いがみられない
東京都市大学(東京都世田谷区)、TIS㈱(東京都新宿区)、岡山理科大学(岡山市)、工学院大学(東京都新宿区/八王子市)は、「オンラインでのコミュニケーションで自己開示を促すにはVRアバターを用いることが効果的であること」を明らかにした。
新型コロナウイルス感染症の影響により、教育や仕事などのさまざまな場面で、オンラインでのコミュニケーションが一般化しつつある。これに伴い、人間関係の構築と維持に重要とされる自己開示を促す「コミュニケーションツール」の発展にも大きな期待が寄せられている。
今回行った検証は、男女54ペア(108人)のユーザーを対象に「ビデオチャット」、「外見がユーザーと類似しているVRアバター」、「外見がユーザーと類似していないVRアバター」の3種類での自己開示と互恵性を比較したもの。「外見がユーザーと類似していないVRアバター」を用いた方がより自己開示において効果的であるとの結論が得られた。
今後は、この研究成果の発信を通じ、カウンセリングや1on1ミーティング、マッチングなど新たなVRソーシャルアプリケーションの設計に役立つことを期待している。
これらの研究成果は、2月28日から3月2日にオンラインで開催された情報処理学会「インタラクション2022」で発表し、論文賞候補に選定されている。