2022年1月21日 【東京理大】木の温もりを感じるプレハブ・システム建築の新工法とデザインを開発~高い耐震安全性を備え、デザイン性と生産性に優れた建築構造システムを提案~

東京理科大学工学部建築学科の伊藤拓海教授らは、㈱内藤ハウス(本社:山梨県韮崎市)と共同し、デザイン性や設計自由度といったプレハブ・システム建築に対する新たな付加価値をもたらし、耐震性に優れた建築構造システムを開発している。この構造システムは、鉄骨柱を合板ではさみ込んだハイブリッド耐力壁で、プレハブ・システム建築に組み込むことができる。㈱内藤ハウスのシステム建築の特徴、すなわち、落とし込み工法による生産システムを継承し、生産性・施工性にも優れた構造システム。耐震実験の結果より、高い耐震性を有していることを実証した。さらに、建築設計事務所と協力して、意匠性、施工性、耐震性に優れた次世代型建物をデザインした。

年々高まる木造住宅ニーズ

プレハブ・システム建築は、短工期、低コスト、長寿命化を実現することができる。ここ数年、事業サイクルは高速化し、持続可能性が重視されているなかで、需要性は高まっている。また、工程の省略化により、建設業界の技能者不足をカバーできる。

しかし、軽量鉄骨工法とブレースによる構造であるため、耐震性の確保のために多くの壁を用いることが必要で、建物としての平面計画や、意匠性、開放性が制限されることになる。また、プレハブ・システム建築は、仮設建築のイメージを抱かせることもある。

木材を使った建築物は、鉄骨やコンクリートの建築物と比較して環境負荷が少なく、森林・国土の整備と保全、また炭素の固定化などにより、地球環境にやさしい建物として期待されている。特に、東京2020オリンピック・パラリンピックの施設建物や開会式・閉会式などの各種イベントで、日本各地の木材を取り寄せて、積極的に利用された。

木造は、地産地消の建物でもある。また、自然素材の木ならではの温もりや香り、感触、色合い、風合いなど、居心地の良い居住環境を提供する。少子高齢化や建物の長寿命化、地球環境問題や資源問題などを受けて、日本の建物の新築着工数は減少しているが、その中で、木造住宅のニーズは年々増え続けている。

一方、東日本大震災で、木造建物は地震・津波による甚大な被害を受け、構造安全性が十分でないこともある。自然素材による材料特性のばらつきにより、構造が過剰となり、不均一性・異方性に配慮した設計・建設が必要となる。また、年々、大工数が減少し、高度な技術が継承できないことが指摘されている。

そこで伊藤教授らは、プレハブ・システム建築と木造建築の高いニーズに対して、これらを掛け合わせることで、新たな付加価値を持った建築構造システムを開発してイルミネーション。プレハブ・システム建築と合板のハイブリッド構造とすることで、それぞれのメリットを引き立て、デメリットを補完することができるという。


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