2022年1月21日 【東京医歯大】PRSがリウマチの間接破壊進行を予測

ポリジェニックリスクスコアは関節リウマチの関節破壊進行を予測する―。東京医科歯科大学難治疾患研究所ゲノム機能多様性分野の高地雄太教授の研究グループは、東京女子医科大学、理化学研究所生命医科学研究センターとの共同研究で、「ポリジェニックリスクスコア」が、関節リウマチのエックス線画像の進行と関連することを世界で初めて示した。研究成果は、国際科学誌 Arthritis & Rheumatologyに1月20日午前5時(協定世界時)にオンライン版で発表された。

関節リウマチは免疫の異常で、関節の骨や軟骨が破壊されてしまう疾患。関節リウマチの治療はここ数年急速に進歩したが、それでも関節破壊が進行する患者が存在する。あらかじめ予測できれば患者に合わせた治療強度を選択でき、関節破壊の進行・重症化をより効果的に抑えられる。しかし、これまでの研究では、抗シトルリンタンパク質抗体(ACPA)やHLA領域が関節の破壊と関連することが示されていたが、予測精度は十分ではなく、いまだ患者さんの病態に基づいたオーダーメイド医療は困難となっている。

「ポリジェニックリスクスコア」(Polygenic risk SCORE:PRS)は,各患者の持つ遺伝的なリスクの積み重なりをスコア化して、病気の発症や進展を予測する手法。このスコアを用いた研究がここ数年盛んに行われている。

このスコアの特徴は、疾患との関わりが強い遺伝子だけではなく、小~中程度の遺伝子もスコアに取り入れているため、より予測の精度が高まると期待されている。


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