2021年11月16日 【東京医歯大】コロナでの保育所閉鎖が与える園児への影響を研究 社会情動的スキルが低下

東京医科歯科大学の研究グループは、新型コロナウイルス感染症拡大前と比べて、第1波中の保育園児の非認知スキル(社会情動的スキル)が低くなっていたが、園行事を中止しなかった保育所では、園児の社会情動的スキルがコロナ拡大前より伸びている傾向にあることを明らかにした。この研究を行ったのは、大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野の藤原武男教授と土井理美特別研究員の研究グループ。この研究は文科省科学研究費補助金による支援のもとで行われたもので、研究成果は、国際誌「Frontiers in Psychiatry」にオンライン版で発表された。

わが国での新型コロナウイルス感染症の第1波の状況下で、世界中の多くの保育所が閉園するとともに、発表会などの園行事が中止となった。これまでの研究から、保育所の閉園によって、子どもや保護者のメンタルヘルスが悪化することが示されているが、園行事の中止が子どもに与える影響はわかっていなかった。研究グループは、偶然にもコロナ拡大前の2019年11月、2020年1月と第1波の渦中である2020年3月にかけて、保育園児の非認知スキル(社会情動的スキル)を縦断的に3園で調査することができ、かつこのうちの1園では園行事を中止しなかったために保育所での行事の効果を検証することができた。

また、これまで保育所の閉園による影響として、子どもの問題行動の増加や生活習慣の乱れなど、ネガティブな側面に焦点が当てられており、社会情動的スキルというポジティブな側面への影響は検討されていなかった。そこで文では、2020年のコロナ第1波による自主的な保育園封鎖に伴う、園行事の縮小がわが国の未就学児の社会情動的スキルに与える影響を検討した。

厳しい園封鎖は行われておらず、自主的な園封鎖が推奨されていた東京都内の3つの保育所に通園する4〜5歳の32名を対象として調査が行われた。子どもの社会情動的スキルは、2019年11月、2020年1月(コロナ拡大前)、さらに2020年3月(コロナ第1波中)の3回にわたり、担任保育士によって評価した。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.