日本科学未来館(略称:未来館)は、12月4日㈯から13日㈪に特別企画『帰還一周年「はやぶさ2」カプセル&リュウグウの〝かけら〟大公開』を開催する。会場では小惑星リュウグウからサンプルを持ち帰ったカプセルの実物(一部レプリカ)や、1回目と2回目のタッチダウンで採取したサンプルの一部各1個(合計2個)を見ることができる。
小惑星探査機「はやぶさ2」は、月よりも遠い太陽系の天体にたどり着き、サンプルを採取し持ち帰るという宇宙探査技術の向上と、サンプル分析から太陽系の起源を探ることに挑戦する画期的なミッション。展示では、「はやぶさ2」のリュウグウ到着からカプセル帰還までの軌跡をたどるとともに、現在、進められているサンプルの分析、研究の現場を紹介する。展示内容は次のとおり。
□「はやぶさ2」ミッションとは 「はやぶさ2」ミッションは、地球以外の天体からサンプルを持ち帰る目的や、目標とする天体として小惑星リュウグウが選ばれた理由をパネルで解説する。「はやぶさ2」のイオンエンジンやサンプル採取装置を忠実に再現した実寸大模型、大きさ約900㍍のリュウグウの縮小立体モデルなどが、見る人に約52億キロに及ぶ「はやぶさ2」の宇宙の旅を想起させる。
□「はやぶさ2」がリュウグウのサンプルを地球に持ち帰るまで 貴重なサンプルを確実に研究者のもとに届けたのが「はやぶさ2」のカプセル。サンプル容器やパラシュートなどが収められたインスツルメントモジュール、カプセルの頭脳ともいえる搭載電子機器部、大気圏に突入するときの加熱からカプセルを守る前面・背面ヒートシールド(前面はレプリカ)、このほか回収したカプセルを日本まで運んだ輸送ボックスなどを展示する。
□リュウグウのサンプルの初期分析と分類 「はやぶさ2」は、2回のタッチダウンに成功した。1回目ではリュウグウの表面物質、2回目では衝突装置により掘り返された宇宙風化の影響が少ない地下物質、合計約5.4㌘のサンプルを採取した。展示では、各回で採取したサンプルの一部各1個(合計2個)を公開する。さらに持ち帰ったサンプルを管理、記載、分配、保管する「キュレーション」と呼ばれる作業を解説。さらに現在も続いている「はやぶさ2」拡張ミッションについて紹介する。