2022年2月16日 【未来館】多様な微生物との共生のありかたを考える 新展示『セカイは微生物に満ちている』4月公開

日本科学未来館は今年4月に、研究者らとともに〝理想の未来像〟を考える常設展示ビジョナリーラボ第3期の新展示『セカイは微生物に満ちている』を公開する。微生物の多様性を高めた共生社会を実現し、より快適で健康な都市をつくることを目指して研究活動や事業を行っている伊藤光平氏をビジョナリー(監修者)に迎え、身のまわりの微生物に目を向け、微生物と人間が豊かに共生する未来の暮らしについて共に考える展示。

ビジョナリーラボは未来館の3階常設展「未来をつくる」にある、〝ビジョン=理想の未来像〟の実現のために、研究者や専門家、さらに来館者と共に理想の未来を企てるラボ。テーマを変えて約1年ごとに展示を更新している。第1期は「2030年のコミュニケーション」というテーマで、第2期は「脳研究と人工知能(AI)研究の融合」という視点から脳科学の可能性について考えた。

清潔さ追及で壊れる微生物とのバランス

人類のまわりには細菌や菌類、ウイルス、原生動物など、目に見えないたくさんの微生物がいる。家や学校も、人類自身の体にも多様な微生物が生息しており、絶妙なバランスを保ちながら独自の生態系を作り出している。しかし〝清潔さ〟を追い求めるあまり、これまで長い時間をかけてバランスを探ってきた人類と微生物との関係が変化し、免疫系の発達への影響や、抗生物質の不適切使用による薬剤耐性菌の発生など、健康や生活への影響も指摘されるようになった。

展示では、身のまわりの微生物と人類の関係性に焦点を当て、微生物の多様性の低下やリスクについて考える。展示空間の中央に実寸大の居住空間と庭園を設け、住空間での微生物を可視化するとともに、ドミニク・チェン氏をはじめとする FERMENT MEDIA RESEARCH によるぬか床ロボット「Nukabot」や、MikikoKamada氏の微生物が植物を分解する様子をモチーフとしたアート作品など、さまざまなジャンルのコラボレーターの協力のもと、ビジョナリーが提案する微生物との共生社会の可能性を提示する。


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