早稲田大学では、東京都、港区とともに、燃料電池ごみ収集車の試験運用を東京都港区で開始した。三者は水素社会の実現を目指すとともに、温室効果ガス削減につなげるため、都市の特性に属した燃料電池ごみ収集車(水素燃料)の開発・試験運用に向けて取り組んできた。燃料電池ごみ収集車の試験運用は、CO2削減、静音性の向上、ごみ収集時の作業環境改善などに貢献する燃料ごみ収集車の開発・試験運用に向けた取組を行い、将来的な普及を目指すもの。
燃料電池ごみ収集車が港区内のごみ収集ルートで実際に走行・ごみ収集を行い、エネルギー消費量の評価や収集職員へのヒアリングなどを実施することで、導入効果の検証等を行う。
試験運用実施期間は、8月16日から来年2月末まで。今後は同事業のPRを作成し、ホームページやSNSなどで発信するとともに、同事業を活用した環境学習を行うこととしている。
同事業は、東京都の「大学研究者による事業提案制度」に基づき、早稲田大から燃料電池ごみ収集車の開発・運用に関する事業提案を受け、令和元年度に東京都と早稲田大で事業を開始。2年度には都、早大、港区との間で協定を締結し、三者が連携して事業を行っている。
走行距離が長く、動力としても多くのエネルギーを必要とする業務用車両での水素利用は、運輸部門の脱炭素化や水素利用の拡大のために大いに重要となる。
また、燃料電池自動車は、走行時にCO2を一切排出せず、走行・作業時も静かなことから、ごみ収集時の作業環境や生活環境の向上にも貢献する。低速かつ頻繁な発停車を繰り返すごみ収集ルートで、特に導入効果が期待できる。