早稲田大学教育学部では、現在の高校2年生が受けることとなる2023年度受験から、一般選抜について、現⾏の学部独⾃試験3教科型の⽅式(⽂科系(A⽅式)、理科系(B方式))に加え、大学入学共通テスト5教科7〜8科⽬と学科ごと(理学科のみ専修ごと)の独⾃試験の合計点により選抜する方式(共通テスト+一般(C方式))を新設する。
また、理学科生物学専修では理科系(B方式)の募集を停止する代わりに、大学入学共通テスト3教科5科目と独自試験の合計点により選抜する方式(共通テスト+一般(D方式))を新設する。
学科・専攻・専修間、方式間での併願は不可。出願時に選択となる。また、一般選抜はすべて2月19日に試験を実施する。
論述問題を中心とする独自の二次試験
教育学部では、これまで学部独自試験3教科からなる文科系(A方式)、理科系(B方式)によって一般選抜を実施してきた。この方式により、特定の専門分野について深く理解している受験生を選抜し、その後のカリキュラムによる学部教育の効果も併せ、教育分野、経済・産業界、公務員等の公共分野、報道・ジャーナリズム、高等教育機関等での先端的学問分野、文学界、文化・芸能界などの様々な分野を支え活躍する卒業生を送り出してきた。
そのうえで今後は、価値観が多様化しかつそれらが顕在化する現代社会で、複雑化する種々の課題解決に貢献する才知ある人物を送り出すためには、これまでの3教科型入試で評価してきた深い専門性に加え、柔軟な思考力、豊かな教養や論理的思考能力と言語運用能力を評価する入試体制が必要となるとしている。
こうした考えのもと、教育学部ではこれまでの3教科型の一般選抜方式に加え、大学入学共通テストで5教科の知識・技能を評価した上で、思考力・判断力・表現力を評価する論述問題を中心とする独自の二次試験を課す新しい一般選抜方式を2023年度より導入することした。
3教科型の選抜を経て入学した教科に関する深い学力を有した学生と、幅広い知識を有し思考力や表現力に長けた学生が共に学ぶことにより、多様な学生同士が互いをより高めあい、新たな価値観を創出できる卒業生の輩出を目指す。
2032年見据えた中期計画を策定
同大では、創⽴150周年に当たる15年後の2032年を⾒据えた中⻑期計画「Waseda Vision150」を策定し、グローバル社会のリーダーとなって活躍できる人材を育成すべく、教育研究の改革を進めている。ここで掲げる「グローバルリーダー」とは、グローバルな場だけでなく、日本国内のローカルな場も含め、社会のさまざまな場で現代社会の複雑化する課題解決に挑む、叡智・志・実⾏⼒を兼ね備えた⼈材を指す。
特に、答えのない問題への対応がより求められる今後、変化に受け身ではなく主体的に関わりながら自ら問題を解決できる人材を育成するためにも、「学⼒の3要素」を重視した入学者選抜を実施することが急務となりつつある。
このような人材育成を今後一層加速させるためには、高い志を持った多様で優秀な学生を国内外から募集していく必要がある。同大では⼊試改⾰を核⼼戦略のトップに据えて真に求める人材に入学してもらうべく、検討と実践を継続的に推進している。
今回の入試改革は、こうした同大の改⾰理念の⼀環として実施するもの。