日本科学未来館は緊急事態宣言に伴い、今年4月25日から臨時休館していたが、6月2日から再開館した。展示フロアが密にならないよう事前予約による入場者数の制限や館内消毒などの対策を徹底するとともに、飛沫シミュレーションの動画を等身大で公開するなどの科学コミュニケーション活動を充実させる。
未来館では昨年から、『risk≠0(リスクはゼロではない、だから)』をスローガンに、新型コロナウイルス感染症との向き合い方を考えるさまざまな活動を展開してきた。今回新たに、スーパーコンピュータ「富岳」による飛沫シミュレーションの結果を動画にした。
5階展示フロアにモニターを設置し、等身大の動画を8月末まで公開する。マスクの有無で飛沫の飛び方がどう変わるか、〝話したとき〟と〝咳をしたとき〟とで比較。マスクは大きな効果がある一方で、すべての飛沫が抑えられるわけではないことが、実際の距離感で体験することができる。
このほか未来館では、今後、未来の人類を考えるさまざまな展示やイベントを企画している。
パネル展示『かるたでよみとく わたしと世界のつながり』では、地球環境や人権などの課題と生活のつながりを理解してもらおうと、製品のライフサイクルに注目。かるたの絵札と読札形式のパネルとして、6月9日から展示している。
また、相次ぐ自然災害や感染症への対策をテーマに、科学的な知見とエンターテインメントの要素を掛け合わせた「リアル脱出ゲーム×日本科学未来館『人類滅亡からの脱出』」は6月12日から7月4日までの追加開催(土日のみ)を決定。7月17日からは、NHKとともに、世界の頂点を極めたアスリートたちの人体の仕組みや美しさなどを見ることができる特別企画「超人たちの人体」も開催する予定。