国立新美術館では、既存の空間を見知らぬ風景に変容させることを得意とする現代美術家・玉山拓郎による新作インスタレーションを、9月14日からエントランスロビーで展示している。これまで、玉山は日用品や家具といった既製品や鮮烈な色彩を放つ蛍光灯を組み合わせることで、空間自体を体感させるような作品制作を行ってきた。
今回の展示では高さ16㍍、8㍍の逆円錐形をした、美術館ロビーのなかでも中心的な存在感を放っている二つのコンクリートコーンに着目。玉山はこのコーンの形状をモチーフとして扱い、美術館の空間全体にまで意識を促すような効果を及ぼす光の作品を生み出した。
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国立新美術館では、今年度から新規事業として、美術館のパブリックスペースを使った小企画シリーズ「NACT View」を開催している。
黒川紀章氏が設計した建築は、スペクタクルでありつつ、細部にまで意匠が凝らされている。多くの人が憩い、通り抜ける広場のようなパブリックスペースで、多くの来場者に楽しんでもらえるよう、若手から中堅の美術家、デザイナー、建築家、映像作家を招聘し、現代の多様な表現を紹介している。
今回の展示は、「NACT View」シリーズの第一弾として行われる。会期は12月26日まで。