文部科学省は、都道府県教育委員会等に対して、学校の水泳授業における感染症対策に関する通知を発出した。児童生徒の密集・密接の場面が想定されるため、万全な感染リスク対策を講じることなどを求めている。
体育は実技を伴う教科であるため、特に児童生徒の健康と安全を第一に考えて、学習の内容や形態、授業の実施場所や時期等を総合的に考慮しながら、感染リスクへの対策が必要となる。
特に、水泳の授業では、複数学級による合同授業の実施に伴い多くの児童生徒が同時にプールや更衣室を使用したり、複数の児童生徒が組になる形態で安全の確認をしながら学習を行う。こうしたことを踏まえて通知では、「児童生徒の密集・密接の場面が想定されるため、さまざまな感染リスクへの対策を講じる必要がある」としている。
そのうえで、児童生徒の健康と安全を第一に考えて、地域の感染状況を踏まえ、密集・密接の場面を避けるなど、下記の事項を十分に踏まえた対策を講じた上で、水泳授業の実施について検討するよう要請した。
具体的には、授業中、児童生徒に不必要な会話や発声を行わないよう指導するとともに、プール内で密集しないよう、プールに一斉に大人数の児童生徒が入らないようにすることや、プール内だけでなくプールサイドでも児童生徒の間隔は2㍍以上を保つことができるようにすることを求めている。
また、授業中、手をつないだり、体を支えたりするなど、児童生徒が密接する活動は避ける。例えば、バディシステムについても、児童生徒によるプールサイドでの人数確認は、事故防止の上で重要であるが、複数の児童生徒が組になる形態であるので、感染リスクに十分注意して運用することを要請している。
更衣室に関しても感染対策を求めた。▽児童生徒の身体的距離を確保することが困難である場合は、一斉に利用させず少人数の利用にとどめる、▽更衣室利用中は、不必要な会話や発声をしないよう児童生徒に指導する、▽水泳の授業中はマスクを外すことになるので、マスクの適切な取扱いについて指導するとともに、更衣室利用の前後に手洗いを徹底する。また、更衣室のドアノブやスイッチ、ロッカーなど児童生徒が手を触れる箇所は、適宜消毒を行うよう求めている。
水泳の授業で児童生徒が使用するタオルやゴーグルなどの私物の取り違えや貸し借りをしないよう指導することも、必要な施策としてあげている。