2021年3月30日 【文科行政】文科省、基礎研究医養成活性化Pを公募 3年度は法医学人材養成拠点構築

 

文部科学省では、「基礎研究医養成活性化プログラム」の令和3年度公募を3月29日から行っている。平成29年度から実施している同事業は、基礎医学を志す医師の減少に歯止めをかけるとともに、我が国の国際競争力を強化するため、各大学が連携し、キャリアパスの構築までを見据えた体系的な教育を実施する取組を支援してきた。

今回、新たに公募する事業では、犯罪や増加する児童虐待の見逃しの防止に加え、大規模災害や未知の感染症等を見据えたわが国の公衆衛生の向上に貢献する法医学・歯科法医学の人材を、それぞれ強みをもつ複数の大学が連携しながら養成する新たな教育拠点を構築することを目的としている。選定件数は2件程度で、令和3年度から最大5年間。補助金基準額は年間2000万円。

基本法改正で求められる死因究明人材

医学・医療の基盤である基礎医学研究は、医学部学生への教育や臨床への橋渡しでも重要な役割を果たしているが、キャリアパスに不安を持つ者も多く、将来を担う若手医師の割合が減少しており、将来的な質の維持に懸念が生じている。さらに、死因究明等を担う法医学分野でも同様な状況となっているなか、昨年4月に死因究明等推進基本法が施行され、死因究明等を担う人材のさらなる養成が求められている。

平成29年度より実施している同プログラムでは、基礎医学を志す医師の減少に歯止めをかけるとともに、我が国の国際競争力を強化するため、各大学が連携し、キャリアパスの構築までを見据えた体系的な教育を実施する取組を支援してきた。

5月10日を期限とする今回の公募では、法医学教室で意欲的な取組を行う大学が中心となり、近隣の大学や所在自治体等と連携し、法医学分野を目指す大学院学生の養成や、臨床医・臨床歯科医の学び直しを行う教育拠点の構築を促す。

また、過去の死因究明等に関するデータの管理・分析機能を集約化するとともに、それらのデータを活用して、児童虐待等の痕跡の判別や薬毒物中毒による死因の判別など、死因究明等に関する優れた知識・技能を有する人材を養成するプログラムの構築を目指す。


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