2021年4月12日 【文科行政】「大学病院はコロナに特化せよ」は乱暴な話 萩生田大臣が理解求める

 

萩生田光一文部科学大臣は、新型コロナウイルス感染症が再拡大している現状のなかで、大学病院にさらなる対応を求める意見が出ていることに対して、「コロナ対応も大事だが、コロナ以外の高度医療も大学病院は担っている。大学病院だからコロナに特化せよ、というのは乱暴な話」との見解を示した。4月9日の閣議後記者会見で述べた。

萩生田大臣は、大学病院はこれまでもコロナ対応を十分に行っており、さらに各大学に病院に対しては、すでに都道府県と緊密に連携し、あらかじめ感染者急増時の緊急的な患者対応方針を明確にするなど、地域での医療提供体制の整備に取り組むよう要請しており、一部の大学病院ではすでに具体的な検討に着手していると説明。

特に、感染が拡大している地域の大学病院が自治体の医療提供体制に対する要望に可能な限り応えるよう、必要に応じて個別に協力要請を行うなど、文部科学省としてもきめ細かく対応したいと語った。

昨年は手術未実施700件以上

一方で、「大学病院だけを切り取ってコロナへの強化をせよというのは、やや乱暴な話」と指摘。例えば都内でも、国立大学附属病院はコロナ病床の要請を受けて、東京都から要請のあったベッド数は確保しているが、さらに増やす準備をしているものの、増やすためには一般病床を閉めなくてはならないということがあることを例にあげた。

昨年1年間、コロナ対応をしている国立大学附属病院で700件以上の手術を先送り・中止せざるを得なくなった事例を紹介。その上で、「コロナ患者を守ることももちろん大事だが、多くの大学附属病院は3次救急救命医療の指定をされているので、ICUなどの機能も守っていかなければならない。高度医療に対する対応もしなければならない」との考えを表明。「コロナだから、大学病院だから、という切り取りで話をすると、国民の誤解を招くことになるので、それぞれの地域で果たす役割を全うしていただきたい」と理解を求めた。

 


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