文部科学省情報ひろば(新庁舎2階エントランス)で、信州大学との共同企画展示が実施されている。テーマは「ナノファイバーは産業構造を変える」。多面的な広がりを見せるナノファイバー研究の中でも、産学連携に特化した製品群を展示し、社会実装の成果として展示している。11月10日から開かれているもので、展示期間は12月23日まで。
ナノファイバーは髪の毛の500分の1程度の細さという極細繊維。従来のマイクロファイバーに比べて高比表面積、高空隙率、軽量、微細な孔径、薄さ、滑らかさなどの特徴があり、疎水性(撥水)や親水性(高吸水性)、透過性に優れるなど高機能性を誇る。
信州大先鋭領域融合研究群国際ファイバー工学研究拠点の金翼水教授は2008年に世界初となるナノファイバーの大量生産プラントの開発に成功、その後テキスタイルでは有名ブランドにも採用され、メディカル、電気・電子分野、さらに農業分野、自動車産業、次世代電池の分野にまで幅広く社会実装が進み、2022年にはコロナ禍に貢献したナノファイバーマスクの実用化で文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞した。
原子力機構との共同企画展示も
同ひろばでは、同時に日本原子力研究開発機構との共同企画展示も実施中。テーマは「2050年カーボンニュートラルの実現へ向けて~原子力水素が拓く水素社会~」。
優れた安全性を有する次世代の原子炉である高温ガス炉の実用化に向けた試験研究炉(HTTR)などの模型展示や動画紹介、パネル展示などを行、原子力を用いた水素製造を通してカーボンニュートラルに貢献する原子力機構の取り組みを紹介している。