文部科学省の情報ひろばで、信州大の協力による共同企画展示「ICT・AI技術を活用したスマート精密林業が日本の林業を変える。」が7月1日から始まった。スマート精密林業と森林計測イメージのジオラマ展示をはじめ、スマート精密林業への研究者の想い・パートナー企業の期待の映像、ICT・AI技術を活用した森林の3次元計測のシステム・テ
クノロジーのパネル展示などが行われている。展示期間は8月6日まで。
信州大によると、同大山岳科学研究拠点の加藤正人教授(農学系)は航空機やドローン、地上のタブレット端末からのレーザーセンシング情報をかけ合わせた独自のICT統合技術を開発、1本1本の樹木まで3次元で映像解析できるため、入林の際は必要とする樹木を伐採することができ、伐採の現場から流通まで一貫したビジネスを可能にした。
さらにAI技術で、国内初となる苗木の自動抽出と高額で取り引きされる広葉樹の種類までの特定が可能になった。現在このビジネスはコンソーシアムが組まれ、森林組合や計測会社が参画、県・森林管理局などが協力支援している。
この画期的な国際競争力のある「スマート精密林業」技術に着目した三井住友信託銀行は、信州大発ベンチャー(精密林業計測)に出資し「森林信託」の新サービスに着手した。昨年8月に商事信託としては国内初となる森林信託第一号を岡山県英田郡西粟倉村に受託し、新しい形の地域活性化に貢献している。
これまで魅力がないといわれた「林業」という一次産業の事業構造をイノベーティブに変革、既に社会実装が始まっていることを今回の展示を通して紹介し、日本各地で眠れる森林資源の活用が始まることを期待している。