2021年7月29日 【文化庁】東北大片平地区校舎群などを登録有形文化財に登録

 

文化審議会は、7月16日に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、「旧東北帝国大学理学部生物学教室」など、新たに220件の建造物を登録するよう文部科学大臣に答申した。登録有形文化財(建造物)は1万3286件となった。

新たに登録された東北大学関係の建造物は、旧東北帝国大学理学部生物学教室をはじめ、同法文学部第二研究室、同工学部機械学及び電気学教室、同工学部機械学及び電気学実験室、旧仙台高等工業学校建築学科棟、本多記念館、旧制第二高等学校正門、旧東北帝国大学正門(東北大学正門)。

これらは東北帝国大学発祥地の片平地区に位置する校舎群。旧制第二高等学校及び旧仙台高等工業学校の建物とともに一連で残る。旧東北帝国大学理学部生物学教室は鋭角な敷地にⅤ字形平面を持つ鉄筋コンクリート造三階建て校舎。プロポーションと細部装飾にバランスが取れた逸品。

旧東北帝国大学法文学部第二研究室は、鉄筋コンクリート造三階建て。窓枠を煉瓦で縁取るなどアクセントを付けた愛らしい校舎。旧東北帝国大学工学部機械学及び電気学教室は、鉄筋コンクリート造地上三階地下一階建て。正面中央は玄関を突出させアーチを付し、装飾を集中して意匠を凝らす。工学部機械学及び電気学実験室は、鉄筋コンクリート造二階建て。上下二層の色使いが目立つ意匠平明な分館。旧仙台高等工業学校建築学科棟は、鉄筋コンクリート造三階建て。スクラッチスタイル貼りに横長の連続窓を開け、壁面を張出すバウハウス校舎風の外観。

本多記念館は、鉄筋コンクリート造地上三階地下一階建て。柱形が強調されたタイル貼りの外壁に矩形窓を並べる。玄関車寄から前方に張り出す大キャノピーが目を引く。旧制第二高等学校正門は化粧煉瓦積角柱の上部に四角錐の笠石を載せる。移転を重ねたが、ほぼ当初位置に旧観を取り戻した。

旧東北帝国大学正門(東北大学正門)は、鉄筋コンクリート造御影石張りの角柱にペン先状の三角形の柱頭を載せる。南本柱に東北大学の門標を付し、帝大の景観を留めている。


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