日本の現代アートがグローバルに適切な評価を受けるよう基盤整備を推進する「文化庁アートプラットフォーム事業(事務局:国立新美術館)」は、日本の現代アートの今後の飛躍に向けて、「グローバル化する美術界と「日本」:現代アート振興の地平線」と題するシンポジウムを10月23日午後2時からオンラインライブ配信で開催し、振興策の現状と今後の見通しを展望する。
文化庁は、日本の現代アートがグローバルに適切な評価を得るためには、官民が一体となって効果的・国際的な情報発信を実現するとともに、国内外の関係者の強固なネットワークを構築することが第一歩と考え、平成30年度(2018年度)から「文化庁アートプラットフォーム事業」に取り組んできた。
具体的には、①日本の現代アートに関する国際的な研究を喚起するような文献を英訳し、世界の関係者が身近なものとして知ることができるようにすること、②関心を持った世界の関係者が日本国内の美術館の収蔵品情報を横断的に検索できるデータベースの開発、③日本人・外国人を問わず、日本の現代アートの研究者やキュレーターのネットワーク化につながる機会の提供等を進め、一定の成果を収めてきた。
シンポジウムは、主として国内外の美術関係者を念頭に、この三つの取組や取組を通じた成果(物)を紹介することで、関係者の間で日本の現代アートに関する認知を高めてもらうともに、より深い研究や、世界への発信が容易になっていることを知ってもらうことを目指している。
また、物理的な往来が困難となった新型コロナウイルス禍を経て、急激なオンライン化・デジタル化の進展など、新たなグローバル化の時代を迎えつつある世界の美術界に向けて、日本の現代アートの発信を強化し、理解を高めるための今後の振興策のあり方について、参加者・視聴者とともに考える機会とする。