慶應義塾と独立行政法人医薬品医療機器総合機構(東京都千代田区、PMDA)は、昨年3月に締結した包括的連携協定のもとで実施する事業として、医薬品評価に役立つファーマコメトリクス領域の人材育成に関する連携・協力を推進することに合意した。具体的には、慶應義塾大殿町タウンキャンパス(神奈川県川崎市)で実施するファーマコメトリクス人材育成コースで、PMDA職員への専門教育を行う。また、同キャンパスでのファーマコメトリクス研究活動への上記の育成コース修了者の参画も進める予定。慶應義塾とPMDAは包括的連携協定のもと様々な連携活動を行っているが、同事業の開始によってこれからの医薬品評価に必要な専門人材の育成とファーマコメトリクス領域の共同研究を推進する。
ファーマコメトリクスは、ヒトにおける薬剤の効果を数学モデルで記述し、コンピュータ・シミュレーションによって最適な薬物治療法を推論・評価する新しい手法。製薬企業での新薬開発、PMDAによる承認審査、医療現場での薬剤適正使用の実践には必須とされ、国内外において社会的ニーズが高まっている。
慶應義塾大殿町タウンキャンパスでは、ファーマコメトリクス領域における国内第一人者といわれる谷川原祐介特任教授によって、国内では珍しい系統的に学べる教育コースを実施している。
慶應義塾大殿町タウンキャンパスは、殿町国際戦略拠点キングスカイフロント地区(神奈川県川崎市川崎区)に、既存の学部の枠を超えて広く活動を展開する〝開かれたキャンパス〟として2016年4月に開設したタウンキャンパス。殿町地区は多摩川を挟んだ羽田空港の対岸に位置し、まもなく完成する空港との連絡橋によって、国内だけでなく、世界と繋がる恵まれた立地を活用したグローバルな発展が期待されている。