今年2022年は、福澤諭吉が『学問のすゝめ』初編を刊行してから150年の節目となる。
この機会に、慶應義塾大学では「ガクモンノススメ」プロジェクトが始動した。当時の『学問のすゝめ』に書かれた福澤諭吉の考えは、150年経った今でも色あせることなく、未来の予測が難しい現代を生きる現代人にとっても羅針盤となっています。慶大では、「ぜひ、これからの未来を切り開いていく若者などに向けて、現代にも通用する示唆に富んだ『学問のすゝめ』を読んでいただく機会を提供したいと考えています」としている。
プロジェクトの一環として、特設サイトを公開し、第一弾として、伊藤公平慶應義塾長と卒業生の櫻井翔さんとのスペシャル対談動画コンテンツを配信した。
今後、同サイトを通じて、「ガクモンノススメ」プロジェクトの各種イベントのお知らせ、各種動画コンテンツを展開する方針だ。
1858年(安政5年)、大坂で緒方洪庵のもと蘭学を修めた福澤諭吉は、国許の中津藩の命を受け、江戸の築地鉄砲洲に慶應義塾の発祥となる蘭学塾を開いた。幕末から明治という激動の時代に、幕府使節団の一員として三度の海外への渡航の機会を得て、欧米諸国を訪れ、帰国後はその見聞を著すとともに、旧習にとらわれない教育を実践した。1868年(慶應4年)、塾舎を芝に移転し、時の元号にちなみ「慶應義塾」と命名。1871年(明治4年)には三田に移り、現在につながる礎を構築した。
三田に移転した翌年に刊行した『学問のすゝめ』では、自由・平等の尊さと学問の重要性を説き、広く社会に受け入れられた。その福澤の精神は、一身の独立を論じ、一国の独立を念じ、志操はあくまでこれを高く堅持する「独立自尊」の精神にほかならない。その建学の精神は慶應義塾にいまも脈々と受け継がれている。