2021年12月17日 【慶応大】断熱性能、床暖房の健康への効果を確認 血圧抑制や住宅内での活動量増加、子どもの健康にも貢献

慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科の伊香賀俊治研究室が、積水ハウス㈱と一般社団法人日本ガス協会とともに、一定の断熱性能があり、部屋が暖かいと健康に良い、また足元が暖かいと健康に良いことを示す調査結果を得た。現行省エネ基準の断熱性能に満たない住宅の居住者への調査データと、現行省エネ基準の断熱性能を満たす住宅で主にエアコンを使う居住者と主に温水床暖房を使う居住者への調査データとを比較分析した結果、明らかになった。

調査結果は、①血圧、②住宅内の活動量、③子どもの健康の3点で示された。

このうち血圧では、現行省エネ基準を満たしているかどうかを問わず、居間の床付近が暖かい方が、高血圧である確率が低い。21℃以上だと14℃未満より50%低い。推定血圧値を算出すると、現行省エネ基準の断熱性能に満たない住宅の場合より、満たす住宅で床暖房使用の場合の方が低い。30歳男性で2.1mmHg、80歳男性で3.4mmHg低いという結果となった。

住宅内での活動量に関しては、現行省エネ基準の断熱性能を満たす住宅で、部屋間の室温差(居間と脱衣所の温度)が小さい方が、またエアコン使用の場合に比べて床暖房使用の場合の方が、座り続ける時間が短く活動量が多い。温度差が1℃小さいと1日あたり約27分、エアコン使用より床暖房使用の方が1日あたり約32分短い。

子どもの健康では、アトピー性皮膚炎である確率は、現行省エネ基準の断熱性能を満たす住宅で、居間が暖かい方が、またエアコン使用の場合に比べて床暖房使用の場合の方が低いことがわかった。居間が20℃以上だと20℃未満より70%、エアコン使用より床暖房使用の方が60%低い。

中耳炎である確率は、現行省エネ基準の断熱性能を満たす住宅で、エアコン使用の場合に比べて床暖房使用の場合の方が50%低く、喘息である確率は、現行省エネ基準を満たしているかどうかを問わず、居間の床付近と脱衣所両方が寒い場合に比べて両方が暖かい場合の方が60%低下した。

 


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