2021年8月27日 【慶応大】「頭痛持ち」はワクチン接種後に頭痛生じやすい

慶應義塾大学の研究グループは、同大病院看護系職員の新型コロナウイルス感染症ワクチン接種後の頭痛の特徴や頻度を調査し、普段から頭痛もちの人はワクチン接種後に副反応として頭痛が生じやすいことを明らかにした。ワクチン後に頭痛が起こる健常者の割合37.9%であるのに対し、片頭痛を持つ人は69.2%、片頭痛以外の頭痛を有する人は71.4%だった。この研究成果は、8月19日(日本時間)の学術誌『Cephalalgia』オンライン版に掲載された。

この調査研究を行ったのは、慶応大医学部内科学(神経)教室の滝沢翼専任講師、関口耕史助教、中原仁教授らの研究グループ。

現在新型コロナウイルスワクチン接種が進んでいるが、副反応の一つとして頭痛が報告されている。今回、慶応大病院の看護系職員について、①健常者、②片頭痛を有する者、③それ以外の頭痛を有する者の3群に分類し、同病院で使用したファイザー社製ワクチン接種後に生じる頭痛の頻度や特徴について調査した。

研究への参加に同意を得られ、ワクチンを2回接種し有効な回答が得られた171名について解析した。その結果、健常者37.9%に対し、片頭痛を有する人69.2%、片頭痛以外の頭痛を持つ人71.4%と、普段から片頭痛、片頭痛以外の慢性頭痛がある人は、健常者と比較して、ワクチン接種後に頭痛が生じやすいことが明らかになった。また、2回目の接種時の方が1回目の接種時よりも頭痛が生じやすいこともわかった。1回目20.5%、2回目45.6%)。

頭痛の持続時間、2回目は8時間

全体として、ワクチン接種後に頭痛が発症するまでの時間の中央値は、1回目では10時間後、2回目では12時間後でした。頭痛の持続時間の中央値は1回目では4.5時間、2回目は8時間だった。

この研究の対象としては若年女性が多かったため(女性の割合94%、年齢の中央値31歳)、この結果をただちに一般人口に当てはめることは難しいが、普段から頭痛で悩んでいる人は、そうでない人と比較してワクチン接種後に頭痛が生じやすい可能性があるため、接種の際には注意が必要と考えられる。


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