2022年1月31日 【慶大病院】拡充型血糖クラウド管理システムの運用を開始

慶應義塾大学病院は、中部電力㈱、メディカルデータカード㈱とともに、同病院の糖尿病・肥満症外来で、血糖のクラウド管理システムを用いた遠隔診療を支援するシステムの運用している。

今回、同システムのデータプラットフォームを運用する中部電力と医療機器メーカーである LifeScan Japan㈱、アークレイマーケティング㈱、㈱三和化学研究所は、患者の同意に基づいたクラウド間連携による患者データの連携について合意。拡充型血糖クラウド管理システムの運用を開始した。

システム運用により、慶應義塾大病院が遠隔診療に活用するメディカルデータカードのMeDaCaシステムを介して、医師が各医療機器メーカーのクラウドの垣根を超えて血糖値データを活用することが可能となる。

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「拡充型血糖クラウド管理システム」は、中部電力のデータプラットフォームとメディカルデータカードのMeDaCaシステムを活用し、患者自身が血圧・体重・血糖値などを記録し、医師が一元的に閲覧可能な同システムの仕組みを拡充したもの。

同システムは患者の同意のもと、在宅での血圧、体重、血糖値やインスリン使用量といったデータを医師が遠隔で確認することが可能となるものだが、これまでは血糖値やインスリン使用量の入力は、患者自身が手入力する負担感が課題となっていた。

一方、LifeScan Japan㈱、アークレイマーケティング㈱、㈱三和化学研究所などの簡易自己血糖測定器は、各医療メーカーのアプリに自動でデータ入力されるものの、医師側は患者の利用する医療機器メーカーに応じて各社のクラウドにログインする必要で、短い診察時間の中で各社のクラウドを活用することが困難という課題があった。

今回運用を開始した「拡充型血糖クラウド管理システム」は、医療機器メーカー3社のクラウドと、同システムのデータプラットフォームを運用する中部電力のクラウド連携を開始したことにより、MeDaCaシステムを介し、患者の記録データなどを医師が遠隔で医療機器メーカーや医療機関の垣根を越えてシームレスに確認できるようになり、集約された医療情報が閲覧可能となったことで、診察の質の向上が期待される。

このような連携は、病院が利用するシステムがハブとなり、各医療機器メーカーのデータをつなぎ合わせる新たなデータ連携のモデルケースになりうると考えており、このような仕組みが拡がることで、データを十分に活用したデジタル技術による新たな医療の実現に寄与できると考えている。

また、拡充型血糖クラウド管理システムは、メディカルデータカードの「MeDaCa システム」と連動し、医師と患者のビデオ通話による診察や、患者への検査結果・処方箋控えデータなどの送信も引き続き行っており、医療機関と患者のデータを共有することで患者と糖尿病専門医、糖尿病専門医とかかりつけ医師を繋ぐ情報の架け橋としての役割も担う。

現在、MeDaCaシステムは医師が血糖値のデータをリアルタイムで確認することができるため、慶應大病院のオンライン診療で活用されており、産科での遠隔妊婦健診に加え、短期でのフォローが必要となる妊娠糖尿病や妊娠高血圧症の人、1型糖尿病などインスリン量の細やかな調整が必要な人、生活習慣や心理面を把握することが必要で対話が重視される肥満症の人にも活用されている。拡充型血糖クラウド管理システムにより、患者にとって利便性のさらなる向上が期待される。


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