慶應義塾大学メディアセンターは今年2月にHathiTrust(ハーティトラスト)に正式加盟した。ハーティトラストはミシガン大学を拠点に米国の大学図書館が中心となって構築・運営されている巨大なデジタルライブラリーで、アジアからの加盟は慶應大が初めて。
今回の加盟により、2014年にハーティトラストに登録した慶應義塾図書館の蔵書約9万冊の、恒久的でグローバルな利活用の可能性を広げ、国内外での日本研究に貢献することが期待される。
また、加盟機関所属者のための拡張機能(一冊ごとのダウンロード機能)を活用することで、慶應義塾の研究・教育のためのより有用なリソースとなることにもつながる。
ハーティトラストは、人類の英知の収集、整理、保存、伝達、共有を使命に、学術機関での資料デジタル化の成果を集約したデジタルライブラリーの構築を目標とする米国の大学図書館が共同で運営する国際的な事業。
2008年に開始され、今年5月現在で、ミシガン大学やカリフォルニア大学をはじめ240以上の大学・学術機関が加盟。1700万冊を超えるデジタル化資料が登録されている。〝ハーティ〟は「象」を意味するヒンズー語で、記憶、英知、強さ等を表わすと言われている。
ハーティトラストに登録されている慶應義塾図書館の蔵書は、慶應義塾大学創立150年記念事業の一環として、同大がGoogle社による図書館プロジェクトに参加(2007年~2010年)し、著作権保護期間の終了した資料約9万冊分のデジタル化を実施したもの。
<主な登録資料>
①慶應義塾大学の刊行物および福澤諭吉の著作173冊
②1941年以前に出版された洋装本(当時の教科書や人文・社会学系の研究書、文学書)約2万3000冊
③ 江戸時代中期頃から1889年までの和装本(古典籍およびその注釈や研究書)約7万1000冊