2021年7月15日 【感染研】コロナ感染者の中和抗体、時間とともに向上

国立感染症研究所の研究グループは、新型コロナウイルス感染症の変異株に対する中和抗体の質が時間とともに向上することを発見した。コロナ回復者が変異株に交差結合する国体を獲得し、この抗体の質(中和比活性・交差性)が時間とともに向上することを確認。この現象は、変異数へのワクチン戦略に重要な知見となるとみられる。

新型コロナウイルスの一部の変異株は、回復者やワクチン接種者が獲得する中和抗体から逃避するというデータが相次いで報告され、今後のワクチン戦略にも影響を与える可能性が指摘されている。

国立感染症研究所等が行った研究では、コロナ回復者の中和抗体の量と質を最長10ヶ月間にわたり経時的に解析。主要な中和抗体の標的部位であるスパイクタンパクの宿主レセプター結合領域(RBD)に変異株に特徴的な変異を入れた変異株RBDタンパクを作製し、変異感受性・変異耐性抗体を定量したところ、変異株RBDにも結合する変異耐性抗体はコロナ重症度に関わらず減衰速度が緩やかで持続性に優れ、親和性が上昇していた。

さらに、抗体あたりの中和活性と変異株に対する交差中和活性が経時的に増加しており、人々の免疫系は変異株にも適応力のある質の高い抗体の比率を時間とともに高めることが可能であると考えられるという。


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