国立情報学研究所(NII)は、フリマアプリ「メルカリ」を運営する㈱メルカリの研究開発組織「mercari R4D」とともに、NIIの事業である「情報学研究データリポジトリ(IDR:Informatics Research Data Repository)」を通じて、大学等の公的な研究機関(学術研究機関)向けにフリマアプリ「メルカリ」の出品データ(メルカリデータセット)の無償提供を9月1日に開始した。
昨今、個人の生活の質の向上や社会課題を解決する上で、データの利活用を進めることの重要性が高まっている。アカデミアでは、AIやビッグデータなどの研究領域を中心に、データを活用した研究活動が活発化してきている。このような研究の現場では、現実社会で活用可能な研究成果を創出するために、実データを利用したいというニーズが高くある。
メルカリは月間利用者2040万人のフリマアプリ「メルカリ」上の出品情報、写真、コメントなど、CtoC(個人間取引)の二次流通市場での大規模なデータを持っている。R4Dでは、こうした実際のデータを、個人情報保護法を遵守しプライバシーに配慮したうえで、NIIと連携して研究目的で学術研究機関向けにデータセットとして提供することにした。この取組により、産学連携の促進、新たな研究コミュニティの創出、人材育成などに貢献できることが期待される。
今回提供する「メルカリデータセット」は、2020年1月から12月の期間にフリマアプリ「メルカリ」に出品された商品に関する情報。同メルカリデータセットに含まれる情報は「メルカリ」のサイト上に公開された情報に限られる。
また、メルカリデータセットの利用は、学術研究目的に限っており、利用申請に基づく審査を経て許可をした大学および公的研究機関にのみ、IDRを通じて提供する。