2022年7月21日 【広島大】医療系学生のための「感染症教育VR」教材を制作 実証授業でVR教材の効果を検証

■ポイント□

〇「感染症対策」を共通テーマとして、部門横断型の医療教育VR制作

〇VRによる学習を行った学生は、従来の講義形式の学習を行った学生に比べ、より正しく感染対策を実践できていることを検証

〇広島大では感染症に強い人材を早期段階から育成

 

広島大学病院は、㈱ジョリーグッド(東京都中央区)に撮影と編集を委託し、新型コロナウイルスを含む「感染症対策」を共通テーマとして、①医学、②看護、③歯学、④薬学、〇tリハビリ‐の5部門横断型の医療教育VRを制作した。360°カメラによって撮影された現場の映像をもとに、CGによりウイルス・細菌の飛沫や付着を表現している。医療スタッフの目線だけでなく患者視点でも、感染症のリスクをリアルに体験できる教育コンテンツを目指して各部門職員が脚本、出演、演出、監修を行った。

また、広島大で、医学生を対象に今回開発した医療教育VRを用いた実証授業と医学部共用試験OSCE(オスキー)形式の実技試験を組み合わせた実証実験を実施。VRによる学習を行った学生は、従来の講義形式の学習を行った学生に比べ、より正しく感染対策を実践できていることを検証した。

広島大では今後、疑似体験によって高い教育効果が得られるVR教材を積極的に活用して医学生の実技レベルを飛躍的に向上させ、臨床実習にて自信を持って患者診療が行える学生医「スチューデント・ドクター」を輩出するなど、感染症に強い人材を早期段階から育成する方針だ。

この研究成果は、7月12日付けで「American Journal of Infection Control」誌のオンライン版に掲載された。


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