2022年1月18日 【山梨大】下⽔からオミクロン変異を有する新型コロナウイルス遺伝⼦を検出〜変異株の流⾏監視への下⽔疫学調査の有効性を実証〜

⼭梨⼤学⼤学院総合研究部附属国際流域環境研究センターの原本英司教授の研究グループは、今年1⽉に採取した下⽔からオミクロン変異 1)を有する新型コロナウイルス遺伝⼦を検出することに成功した。約半数以上の感染者の糞便中に新型コロナウイルスが排出されることから、下⽔中の新型コロナウイルスを定期的に調査することで地域や施設における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流⾏状況を捉える「下⽔疫学調査」が現在社会的にも注⽬されている。原本教授は、国内外の研究者と共に下⽔疫学調査の有⽤性を世界に先駆けて提唱。下⽔中における新型コロナウイルスの検出調査や下⽔からの検出法の開発などに取り組んでいる。

変異株の流行状況、検出にも反映

今回、昨年12⽉第2週から2022年1⽉第3週に⼭梨県内5ヶ所の下⽔処理場で採取した下⽔17試料に対し、主にオミクロン株が特徴的に有する2ヶ所の変異を対象とした逆転写定量PCRを適⽤した結果、1⽉第3週に採取した4試料(4ヶ所の処理場の各1試料)が2種類の変異のいずれかまたは両⽅に陽性反応を⽰した。

⼀⽅、12⽉に採取したいずれの下⽔からも、これら2種類の変異は検出されなかった。

また、第4波と第5波を含む1年間の下⽔疫学調査の結果により、変異株の流⾏状況が下⽔から検出される変異にも反映されることが確認された。

この研究により、新たに出現する変異株に対しても下⽔疫学調査が有効となる可能性が⽰された。今後、下⽔疫学調査の社会実装に向けた動きが加速することが期待される。


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