兵庫県尼崎市は、8回目となる「近松賞」に、京都市在住の肥田知浩さんの作品「宇宙に缶詰」を選出した。同賞は同市にゆかりと深い劇作家・近松門左衛門の功績を顕彰するとともに、次代を担う優れた劇作家を世に紹介し、新たな演劇作品の発掘、劇作家の育成を目指したもの。
同市では、市内の広済寺(こうざいじ)に、わが国が世界に誇る劇作家・近松門左衛門が眠る墓所(国指定史跡)があることから、1986年の市制70周年をきっかけとして、「近松」を文化振興のシンボルと位置づけ、〝近松のまち・あまがさき〟を目指し、文化、教育、産業、環境整備のトータルなまちづくりを進めている。
受賞した肥田さんは、1978年1月生まれの44歳。これまで第20回OMS戯曲賞佳作入選を果たすとともに、AAF戯曲賞や劇作家協会新人戯曲賞などで最終候補作品に選ばれている。
受賞作品は、選考委員の選評も掲載した冊子を2000冊発行し、全国の演劇関係者らに配布する。また、令和7年3月までに兵庫県立尼崎青少年創造劇場で、受賞作品の上演を予定している。