2022年10月27日 【大阪公立大】日本人は忖度のしすぎ? 『人助け』に関する日本と米国の文化的差異を調査

■ポイント□

〇日本人大学生は、相手から援助を求められているかが不明確な場合、米国人大学生と比べて、援助提供を極端にためらうことを明らかに。

〇明確な援助要請がある場合には、援助提供に日米差はない。

 

大阪公立大学大学院文学研究科の橋本博文准教授ら研究グループは、日本人大学生と米国人大学生の社会的援助の文化的差異が、他者からの援助要請が不明確な場合でのみ顕著に現れることを明らかにした。二つの研究で解明した。

一つ目の研究で、日本人大学生183名を対象に先行研究を参考にした調査を行ったところ、親しい他者からの援助要請が不明確な場合では、援助提供を顕著にためらう、という可能性が示された。

この可能性をより直接的に検討するため、二つ目の研究では、日本人大学生118名、米国人大学生52名を対象に、親しい他者がストレスを経験している状況を複数想定させ、その状況に身を置いたとしたらどうするかを質問紙で尋ねた。

その結果、たとえ親しい他者が困っていることをわかっていても、日本人大学生は米国人大学生と比べて、明確に援助を求められない限りは援助を提供しない傾向があることが明らかになった。また、明確な援助要請がある場合には、援助提供に日米差はなかった。

この研究成果は、10月19日に、国際学術誌「Frontiers in Psychology」(IF=4.232)に掲載された。


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