名古屋市立大学病院は、シーメンスヘルスケア㈱とフォトンカウンティング検出器搭載2管球CT『NAEOTOM Alpha(ネオトム アルファ)』の導入契約を締結した。同機器導入の契約締結は全国の国公立大学で初。全国では4施設目の契約締結となり、機器の導入は来年2月頃を予定している。ネオトム アルファの新しい検出器による検査は、テレビ放送がアナログ放送からデジタル放送に変わったかのように、鮮明で情報の多いCT画像を臨床医・患者へと届けることが期待できる。CT装置の精度が向上し、被ばく低減や追加検査を防ぐことで診療時間の短縮による患者への負担軽減や救急医療現場での効率化など、さまざまなメリットが期待される。
ネオトム アルファ導入のメリットは◎低被ばく、◎超高分解能、◎精度の高いスペクトラルイメージング、◎2管球システムによる高い時間分解能など。フォトンカウンティング検出器は、従来の検出器のようにエックス線光子を可視光に変換するのではなく、各エックス線光子とそのエネルギーレベルを直接検出するため、より少ない放射線量で高解像かつ有用なデータを提供することが可能となる。
また、被ばくを抑えることができるため、患者や検査を受ける人の負担を減らしつつ正確でスペクトラルイメージングによる包括的な検査ができることから、従来のCTでは見えなかった乳がんの微小石灰化や単純CTでの腫瘍の鑑別だけでなく、救急や全ての診療科で診断の向上が期待できる。少なくとも今後10年間は世界最高の画像診断装置としての活躍が期待される。