千葉大学文学部を2019年に卒業した岡田和也氏と、同大大学院人文科学研究院の一川誠教授は、甘味、苦味、酸味、塩味といった多様な飲料での味覚の強さに関して、飲料の中身が見えない状態で容器の色が味覚に及ぼす影響に関して研究した。その結果、容器の色は、飲料の特定の味を強調したり、弱めたりする効果があることがわかった。
この研究結果は、容器の色を調整することで、減塩や糖質制限にもつながることが期待される。
これまでも容器の色が飲料の味覚に影響を及ぼすことが報告されてきた。例えば、カフェオレを白色の容器から飲むと、青色や透明の容器で飲む場合より苦みが強く感じられる。また、茶色の容器で飲むコーヒーや、橙色や茶色の容器で飲むチョコレート飲料は、コーヒーもしくはチョコレートの味がより濃く感じられる、という研究結果も出ている。
しかし、これらの研究では、特定の飲料のみが用いられており、容器の色による味覚への影響が、特定の飲料のみで生じるものか、ほかの飲料でも生じるものかは不明だった。また、飲料自体が直接見える状態で味覚の強さが評定されていたため、認められた効果が容器の色単独によって生じたものか、飲料自体の色と容器のコントラストなど相互作用によって生じたものか不明だった。