千葉大学アカデミック・リング・センターは、同大附属図書館が所蔵する明治の文豪・森鴎外の自筆書簡や江戸後期の思想家・大原幽学の書状を、同大学術リソースコレクション(略称:ⅽ‐arc(シーアーク))で公開した。
明治の文豪・森鴎外(1862‐1922)直筆の書簡は、受取人である小池堅治(1878‐1969)から当時の千葉大附属図書館長に譲られたという経緯で同大図書館に所蔵されている。
この書簡は、小池が鴎外の代表作のひとつ『舞姫』のドイツ語訳について刊行の許可を申し出た際の鴎外からの返信となる(大正5年9月27日付)。奇しくも今年は、鴎外の没後100年にあたる。
千葉大図書館では、大原幽学直筆の書状10通を所蔵している。大原幽学は江戸時代後期の思想家・農民指導者として知られている。天保13年から下総国香取郡長部村(現・千葉県旭市)で、神・儒・仏を融合させた性学(性理学・道学)をもとに農民を指導。優れた農業技術の導入や協同組合の先駆とも言われる先祖株組合の結成などに取り組み、農村の立て直しに尽力した。