2021年8月18日 【医歯大】歯科による口腔管理が経口摂取の確率と在院日数短縮に関連

東京医科歯科大学の研究グループは、高齢肺炎入院患者に対する歯科口腔管理が経口摂取の確立と在院日数短縮に有効であることを突き止めた。65歳以上の肺炎入院患者で、歯科専門職による口腔管理の効果を調査したもので、歯科による口腔管理が、退院時の経口摂取確立の有無に影響していることを確認。さらに、肺炎の重症度や併存疾患に関わらず在院日数も短縮したこともわかった。これらの調査結果は、医科歯科連携での歯科口腔管理の効果をあらためて明らかにすることとなった。

この研究を行ったのは、東京医歯大大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション学分野の戸原玄教授、中川量晴助教、吉見佳那子特任助教の研究グループ。三重大大学院医学系研究科リハビリテーション医学分野の百崎良教授と共同で研修を進めた。

肺炎入院患者は、治療により一時禁食状態となり、経鼻経管栄養や胃ろう、点滴により栄養管理されることがある。禁食中は口やのどを使わないために、口腔衛生状態が悪化したり、口腔・嚥下機能が低下しやすくなる。

患者の全身状態が改善すると少しずつ経口摂取を再開するが、安全な経口摂取を行うためには、嚥下機能評価や摂食嚥下リハビリテーションに加えて、口腔状態の評価や適切な口腔ケア、歯科治療が必要であるとされている。

一般的に、歯科がない病院では主に看護師が口腔管理を行う。著しく口腔状態が悪い場合や義歯に不具合がある場合には、看護師だけでは管理が困難となるため、歯科との連携を模索する必要がある。

そこでこれまで入院患者に対する医科歯科連携に関する研究が行われ、有効性や連携の形態が実証されている。しかしながら、肺炎で急性期病院に入院した患者に着目した研究は今回が初めて。肺炎は嚥下機能が低下することによっても発症する。

この研究では、急性期病院の肺炎入院患者を対象として、歯科医師、歯科衛生士が実施した歯科口腔管理の効果を、主に経口摂取状況との関係に焦点をあてて明らかとすることを目的としている。


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